春休みがあと少しで終わる…

春休みが終わったら、新しい高校生活が始まる。
これから通う高校は自宅からかなり離れているので、学校の近くにある小さな一軒家に1人で引っ越すことにした。
「明日から1人で暮らすのか、うまくやれるかな」
啓人はつぶやきながら明日の引っ越しに備えて荷物をまとめていた。
「あっ洗剤買い忘れた。コンビニで買ってくるか」

コンビニへ行く途中、電柱の側にダンボールが置いてあった。
「なんだこれ、宛て先は無いし落し物かな」
触ろうとした瞬間ガタッとダンボールが動いた。
「うおっ! なんだこれ、何か入ってるのか。開けない方が良さそうな気がする…そもそも俺はコンビニに用事があるんだ。ダンボールには用はない!」
その場から離れようした瞬間、ダンボールは動かなくなった。
「きっとおもちゃでも入ってたんだろうな」
啓人はゆっくりと歩きコンビニへ向かった。

コンビニに着き、洗剤を買い、ソーダ味の冷たいアイスを買った。
「よし帰るか。まだあのダンボールあるのかな」
ダンボールがあった場所に行くと、位置が大幅にずれて、フタが空いていた。中を覗くと真っ白な猫が一匹入っていた。
「なんで猫がいるんだ… 捨て猫か?」
猫は啓人を見つめながら
「ニャーニャー」
と泣きダンボールの中を転がっていた。
「連れていってもいいけど親が怒りそう。 どうしようかな? でも明日から引っ越しするし、そこで飼うか!」
啓人はゆっくり猫を掴み、抱えた。
「よしよし。おとなしくしろよー」
「ニャニャー」
啓人は猫を抱えて家へ向かった。