私はドタバタと準備を済まし、そそくさと家を出た。 母が 『気をつけて行くのよ。行ってらっしゃい。』 と言うのに対し、 『やっと、ドジ姉貴から解放されたぜ…』 と言う、本当に憎たらしい弟。 弟と認めたくないわ。全く。 『でも、気をつけて行けよ。』 …ん?一瞬耳を疑ったが、空耳ではなかったようだ。確実に弟が言った。 こういうところがあるから嫌いにはなれないんだ。 私は笑顔で言った。 「行ってきます!」