「ねぇ、奈々ちゃん…



ファンは野球選手を

好きになっちゃいけないのかな?」




タクシーのなかで、奈々ちゃんは

急がしそうに電話を掛けていた




「の、、あ?」



奈々ちゃんはまぢまぢと

あたしの顔を見る




「嘘だよ…ウソ!!」



いつも思う。

近いようで届かない人



「乃愛… 彼は憧れの存在なの

アイドルと同じでわたし達はファンの一人に


過ぎないんだよ」





奈々ちゃんはいつも、あたしを


夢の中から覚ましてくれる



「ほら!! そんなかおしないで

今日こそ会いに行くよ!」




「うん♪」