「お仕事とか忙しいんですか? モデルさんって・・」

「いえ・・・まだまだ新人ですし・・・」

「でも、モデルさんって、大変なんですよね。いろいろ・・・」


ありきたりの切出し方に寒気がする僕。


マミの表情はあまり冴えないが、愛想笑いをしてくれる。


しばらくの沈黙・・・僕はブロック分けするピンを丁寧に留めながら手元は順調だった。



そると・・・長い沈黙の後、マミは思わぬ返事をした。


そう、女神の笑顔と共に・・・



「あのーーー。敬語じゃなくていいです。マミって呼んで。」



か・・・可愛い・・・



とっさに・・・

「・・・・ハイ。」僕は即答しまい。




しかし・・・マミは何やら、怪しげな笑みを浮かべ・・・僕にこんな変化球を。


「ねぇ・・・私を最高のモデルにして!」



正気かぁ・・・?初対面で・・・でも、甘えた表情はなんて可愛いんだ。


・・・・・・・・



 「絶対負けたくないから。」



僕は、その意味がさっぱりわからなかったけど。




マミは目を潤ませ・・・その熱いまなざしを見ると



「俺が・・・・」って僕はなんか熱いモノを心の奥に感じて。


でも、またまた無心に口から出たのは・・・




「あのさーーー・・・負けたくないって。だれかライバルとかいるの?」


さっき、許可された「タメ口」で僕はマミに聞くと、


マミは一瞬ハッとしたが、


・・・ムッとしてるみたいで・・・


まだ、早かったのか・・・もしや・・・


「あ・・・スミマセン・・・僕・・・ごめんなさい」



すると、マミは「いいけど。別に。」って・・・うつむいてしまった。




かと、思ったら、次の瞬間はニコっと笑ってる。


「おーー。良かった。」僕はなんかホッとして


そのあとは、マミといい雰囲気で話せた。





マミにはすっかり驚かされてるが

とても、根はいい子なんだって。

僕のハサミも快調にサクサク手元はよいリズムを踏んでいた。


マミは少しは心を開いてくれたんだろうか・・・

たまに、ケラケラと笑ってもくれる

マミに笑ってもらいたくって、僕は必至に話続けた。