「これ・・・


絶対利くから!」


そのスプレーは

髪をより潤おしく

輝きを放つ

みんなから「魔法のスプレー」と呼ばれていて・・・

ここ1番で

美容師は

客に魔法をかけるんだ。

「綺麗だね。」

僕はしみじみ・・・

女性が綺麗になっていくのは

やはりたまらない快感で・・・




「じゃあ・・・明日・・・頑張って。



うまくいっても


いかなくっても


またここに帰ってくるんだぞ。 マミ。」


「言われなくても・・・帰ってくるから。

好きの返事・・・・

今度はちゃんと言ってよ。何度もね。」


マミはそういって店を後にした。



僕はこうして

マミっていう一人の

モデルを

一人の女性を

また

送り出した。


店から階段を駆け上がるマミ

その姿は自信に満ち溢れて

振り返ることもなくって


僕はそんなマミが大好きで

いつまでも見ていたい・・・


店を片づけながら


今日も想っていた


この恋を


僕は本当に温めているって。


「おかえり」


今日もマミをこうして待ち続ける。


この美容室で・・・・



☆ end  ☆