るみの手を取り

私はカイからるみを奪った。


「ごめん・・・カイくん。」

私はるみと夜の街へ駆けだした。

「いいの・・・?ねぇ・・・?」るみは慌ててる。

「カイくんのこと怒らせたくないよ。」

「大丈夫だよ。るみっちゃん。行こ!!」

走って

走って

無我夢中に街を走ると

なんだか気持ちよくって

高めのヒールなのに

こんなに疾走したのは初めてだよ。

なんだか笑えちゃって。


いつの間にか・・・



あの頃の私とるみに戻っていた。



「るみちゃん・・・コレ・・・」

私はるみの右腕の内側あたりに不自然なあざを見つけてしまった。

「・・・・うん。これもね・・・」るみは涙ぐみながら説明しようとしているけど・・・



「最低な男だね。アイツ」


初恋だったアイツを今私はこんなに侮辱している。

侮辱すればするほど・・・なんか泣けてきちゃって

るみも泣きっぱなしで・・・

私たちは人目も気にせず

号泣してしまった。

「もうやめなよ。アイツは・・・」

「うん。今までごめん。マミちゃん」

久々にマミちゃんって呼んでくれて・・・



ようやく、私は

るみを

許せることができたっていうか・・・

るみを親友として

また一緒に仲良くしたいって。

大事な親友になんてことするの。



カイくんの卑劣な行為は

後に噂も限界をむかえ・・・

るみが口火を切ると周りの女の子も声を大にしてカイを攻めていった。

そんなことから

カイくんは、業界からある日、姿を消してしまった。





「ただいま!」

シュウの待つ店

今日は、るみも一緒に。

「あれ?2人で?」シュウの問いかけに

私たちは心地よい笑顔を返した。