「こないだうちに、21歳の子が来てさ・・・」

トオルは驚いていたがニヤケている。

「へぇ・・・いいね。」

「モデルやってるみたいなんだけど。」

僕は自分の気持ちを隠したままマミのことを話し始めた。

「え~。なんていう子?有名?どの雑誌の子?」

トオルの質問攻めは止まらなかった。

でも、僕はマミのことを全然詳しくは知らず

それを察したアイドルヲタのトオルは熱が入る。

「21歳で無名のモデル・・・?ちょっと厳しいかもね。

20歳越えるとアイドルも路線変えるでしょ。

モデル生命もシビアな世界なんじゃん?

とにかくさ・・

ギスギスしてんだよ。女の世界って」

マミは果たして・・・

僕はそれからもトオルと20代女子について語り合った。

僕は語るというより

主にトオルからのレクチャーだった。

さすが、アイドルと多く接しているから

なんとなく説得力もあり

ためになったし。

でも確実に違うことは

トオルはいくら頑張っても

アイドルとファンの関係

それ以上はナイとわかっていても

彼は熱心に追い続けている。

だからトオルは僕に言った

「頑張れば、手が届くんじゃん。」って

手・・・どころか

初対面で髪も触れているこの不思議な感覚

「マミは今頃何してるんだろう・・」

トオルに打ち明けてからも

どんなレクチャーされても

その実践ができる日は来るのか?

何日も待ち続け

想いは募るばかりでいた