その日はなんだか眠れず、

マミの鮮明な記憶は夢にまでも出てきそうで

「また店に来ないかな・・・」僕はそのことばかり考え

考えているうちに眠りについてしまった。

翌朝から、

僕は世界がまるで変ってしまったかのように

活き活きと、

店を開けるのも嬉しくって

久々に店の外回りまでも掃除をしてしまった・・・

遠くから馴染みのバイク音が響き

店の前で停まった。

この日の1番客はトオルだ。

1番気心知れてる男

バイクだけはよく整備されている

ツーリングをこよなく愛する男

隠れヲタなのか、アイドルには詳しく

地方遠征をひかえていた。

お気に入りのアイドルに会うために髪も整える。

このさりげない努力が好印象だ。

トオルを前に・・・

まさにアイドル世代の女の子を好きになってしまった僕は

この男に言うべきか

言わないべきか

正直迷ったが

その整備され尽くしたバイクを借りて

いつの日かマミと・・・

勢いにも任せて

トオルにマミのことを打ち明けた。