正門をくぐると一安心した。
「おっ。間に合ったー!」
「先生、ネクタイが曲がってます。髪もボサボサです」
「おっといけない。今日が最後なのに」
そう言うと二菜が俯く。
「何て顔してんだよ。
昨日の、俺にメロメロなだらしないブス顔はどこに行った?」
「例え冗談でも、ものすごく失礼なこと言わないでください!」
怒られた。
しかし、キッと顔を上げて俺を叱る二菜に、俺はホッとした。
いつもの二菜だ。
「へへ、ごめんって。
そうだ二菜、俺の学校での最後の勇姿を見逃すなよ!」
乞うご期待、とばかりにニヤリと笑って職員室へ行く。
朝礼まで、あと15分だ。

