「…天沢」
「…はい、なんでしょう…」
「話、あるんだけど」
相良の話の内容に見当はついていた。
土曜の夜の話、だ。
あの夜の話なんて、ココでされたらたまったもんじゃない。
「…ひ、昼休みにして…ください…」
でも。
強気に言えないのは、相良の今にも黒い羽が出てきそうなオーラのせいだけじゃない。
もし同じことをされたら。
やっぱり相良と同じように怒るであろうことを。
私はやらかしたからだ。
「じゃあその後、外回りな。課長に直帰するって言っとくからそのつもりで」
そう言って。
相良は自身のデスクのパソコンを立ち上げた。
こ、怖い…。
外回りなんて予定はないし。
昼休みだけで済む話じゃないのかもしれない…。