なんで相良の家?
私、相良の家の場所なんて知らないから。
最寄り駅すらわからない。
…解散するなら駅で下ろしてくれればいいのに…。
相良の鬼…。
なんて思っていたら。
「さて、行くぞ」
「え?」
相良が車から降りた。
それに続いて私も車のドアを開けた。
「行くかって、どこに!?」
「買い物の後、飲みに行こうって言ったじゃねぇか」
「あ…」
…たしかに、そんな話もしてたかもしれない。
でも、なんで相良の家に…。
「…車で行って、帰りの運転誰がするんだよ」
「あ…」
私の思考はダダ漏れらしく。
相良は呆れたように大袈裟なくらい大きなため息を吐いた。