だけど。
そんなセリフは昼ドラのヒロインに言わせておけばいい。
私は空いている方の手をギュッと握ると。
相良の顔を見上げた。
「公衆の面前でなんてセリフ吐いてんのよ…っ!!」
ホンットにバカ!!
なに考えてるのか理解できない。
彼氏のいる相手にそんなことフツー言う!?
いくら耳元だからって、人前でなんてこと言うのよ!!
相良が不必要に近いことと。
不覚にも感じてしまったことへの恥ずかしさで。
身体の熱は落ち着いてくれそうにない。
バカッ!!
相良のバカ!!
この熱さ、どうしてくれるのよ!!
キッ、と相良を睨んだ。
…つもりだった。