嘘と微熱と甘い罠


「わ…っと、すみません」





一目惚れしたシャツに、悩んで合わせたパンツ。

ワンピースに靴2足。

大満足の買い物ができた夕方前。

ショップバッグをいくつか持って歩くのにも慣れてきた。





「ほら、寄越しな」

「え?」

「荷物ぐらいもってやるよ」





そう言って相良は。

私の手からショップバッグをヒョイ、と取り上げた。

…と、思ったら。

左手も一緒にクイッと掴まれた。





「ちょっ…相良っ!?」

「なんだよ」

「な…っ、手!!」

「ほっとくと迷子になりそうだから」

「なるわけないでしょ!!」

「どうだかね」





フフン、と鼻で笑うと。

相良は「よし、次行くか」と。

私の左手を引き、ゆっくりと歩き出した。