嘘と微熱と甘い罠


まさか。

まさか、相良が言うはずない。

だけど相良は、笠原さんと一緒に私を騙してた…。

まさか、という信じたい気持ちと。

だけど、という疑う気持ちがグチャグチャに混ざっていく。

言葉を発しない私に、笠原さんがまた耳元で囁いた。





「最近抱いてやれてなかったし」

「寂しかったんだろ?」

「今なら許してやるから、な?」





許してやる。

その言葉に私の中の何かが切れた。





「…勝手なこと言わないで!!」





あれだけ泣いたから、もう涙なんて出ないと思ってた。

この人の前では泣くまい、と思ってた。

だけど。

堰をきったように溢れ、流れ落ちる涙は止まらない。





「許してやる?なにそれ。誰が許してくれなんて言ったのよ。いいかげんにして!!」





言葉の勢いと一緒に、胸元の笠原さんの腕を振りほどく。

そのまま2、3歩離れると、視界に相良が映り込んだ。

でももうそんなことどうでもよくて。

私は笠原さんに言葉をぶつけた。





「私は笠原さんの都合のいい玩具じゃない!!」