迎えにって…。
なんで?なんで?なんで?
「?」が端から頭の中を埋めていく。
「な、んで…」
「なんでって、そりゃ心配するだろ?」
まるで昨日のことなんてなかったかのよう。
いつもと何も変わらないように見えた笠原さんだけど。
笑みを持たせた口元は、なんだか薄っぺらく。
そして、少し赤くなっていた。
何を考えてるんですか?
笠原さん…私、昨日。
もう終わりにしたいって言いましたよね?
それに笠原さんだって。
それを望んでいたんでしょう…?
言いたいことはあるのに、言葉になってくれない。
声がでない。
「とりあえず、行こうか」
「え、ちょっ…笠原さん!?」
グイッと引かれた腕につられて体も前のめりになる。
仮にも私、今まで病院にいたんです。
それに合わせて全身打撲で痛いんです。
でも笠原さんはそんなのお構いなしに歩きだした。