嘘と微熱と甘い罠


笠原さんは私を都合よく扱いたいだけ。

私という都合のいい玩具が。

自分の手元からなくなるのが、惜しいだけなんだ…。





思わず相良の手にギュッと力を入れてしまう。

でも、相良は何も言わずに握り返してくれた。

そして、私の気持ちを代弁するかのように。

相良が大きなため息と共に言葉を吐いた。





「あんた、なに考えてんすか?」

「てめぇに聞いてねぇ、相良」





動いたら切れてしまうんじゃないかってくらい。

ピリピリとした空気がこの場を包む。





「手、離せよ」

「あんたが離せば済むでしょう?」

「天沢は俺のも…」

「離して…」





私は2人の話を遮って言葉を吐いた。





「離して、ください…笠原さん」





もう、いやだ。

嘘、うそ、ウソ。

何がホントなのかもわからない。

何が本音なのかもわからない。

仕事もできてカッコイイ。

憧れてた、好きだった。

それなのに。

もうこれ以上…幻滅させないで…。