嘘と微熱と甘い罠


飄々としている相良の方から私を欲しがればいい。

このままじゃ私だけが相良を欲しているようで、なんだか癪にさわる。





そんな些細で小さなプライドが発した言葉。

だけど、次の瞬間。

言わなきゃよかった、と本能が判断した。





相良は少し驚いたようで目を見開いた、と思ったら。

ニヤリ、と意地悪そうに唇の端っこを持ち上げて。

胸元から顔を離すと、私の腰を抱き寄せた。

そして。





「何を“欲しい”って?」

「はっ…!?」

「俺は企画の概要を身体でわかってもらおうとしてただけなんだけど?」

「…っ!!」





“…説明、してやるからしっかり身体で覚えとけよ”





確かに相良はそう言った。

言った…言ったけど…っ!!





「いくら“説明”だからって、こんなことする必要ないでしょっ!?」

「なんだよ。一番分かりやすく説明してやったのに」

「どこがよっ!!」





これが“説明”だなんて。

納得いかない。

まして理解なんてできるわけがなかった。