嘘と微熱と甘い罠


顔の横には相良の腕。

視線を上げれば相良の顔。

着ているスーツからは甘いけど爽やかな。

相良の部屋で嗅いだことのある香りフワッと鼻を擽る。





…ち、近い、近すぎるって!!

なんで私、相良に囲われてんのよ!?

心臓の動きが早送りされてるんじゃないかと錯覚しそう。

その動きに比例して、私の体温も上昇中。





…お願いだから、離れてよ。

心臓がオーバーヒートしそうだよ…。





そのとき。

壁についていた相良の右手が。

肩に落ちている髪を一束掴んだ。

そして。

掴んだ髪に口づけると。

なにかを吐き出すように言った。





「…やめろよ、あんなやつ」

「え…?」





また眉間にシワを寄せた相良は。

嫌悪感たっぷりの表情を見せた。