嘘と微熱と甘い罠


「ちょっ…相良っ…早っ…!!」





会議室を出てから。

半ば引きづられるように歩かされる私。

身長差があるんだから足の長さも違うって。

相良くんっ、そこんとこわかってます!?

ちょっと足が縺れそうになってきたとき。

相良がある扉の前で足を止めた。

そして、ポケットから鍵を取り出すと。

ガチャリと解錠した。





「…入って」

「ここって…」





相良に背中を押され入ったこの部屋は、資料室。

データ化されていない過去の資料が置いてある滅多に来ることのない場所だった。

現に入社してから片手で数えられそうなくらいしか来たことがない。

滅多に人の出入りもないし、いろいろな資料が置いてあるため。

普段は施錠されていて、鍵は総務部で管理されている。

だから、資料室を利用したい時は総務部から鍵を借りてこなければならない。





…そんな資料室に。

相良は何の用がある…?