「ここでギャーギャーやってるなら、宣伝部で直接、販促案詰めてこい」
要するに「うるさいから他所でやれ」と。
眉間にシワ、口からため息。
呆れてるのかイライラしてるのか。
課長は相良と私を宣伝部へと追いやった。
「相良のせいじゃん」
「なんで俺だよ」
「相良の頭の中が花畑だからだよ」
「なんだよ、それ」
宣伝部までの廊下をブツブツ言いながら歩く私たちは。
どう見ても、揉めている。
それなのに。
「相良くんと天沢さんじゃん。相変わらず仲いいなぁ」
「ケンカするほど仲がいい、ってなー」
「また2人の漫才聞かせてねー」
からかうように笑いながらすれ違うのは。
同期入社の同僚たち。
…だーかーら。
漫才じゃないっての。