嘘と微熱と甘い罠


予定表にはこの時間、外回りだって書いてあったはずなのに。

…なんで相良がここにいるのっ!?

驚き半分、そして。

昨夜に引き続き、またもや醜態を晒してしまった…。

隠しようのない恥ずかしさでいっぱいになった。





「…ノックぐらいしろって」

「しましたよ、こうやって」





呆れたような、不機嫌なような。

ため息混じりの声で笠原さんが言うと。

相良もまたため息を吐きながら“コンコン”と軽く握った拳でドアをノックをした。





「それにしたってタイミングよすぎだろ」

「いや、むしろ感謝して欲しいくらいですけど」

「は?」






怪訝そうな顔を相良に向けた笠原さんは。

何事もなかったかのように私から離れた。