嘘と微熱と甘い罠


耳元…首筋…と笠原さんの唇が動くたび。

頭の先から背筋を通って腰まで。

ゾクゾクした力の抜けそうな感覚が走り抜ける。





「…誰か、来ます、よ…?」

「天沢が声出さなきゃ大丈夫だろ?」

「…や…っ…」

「ハハッ…頑張れよ?」





さっきまで頭にあった違うこと。

そんなのは笠原さんから与えられるもどかしい刺激に飲まれてしまった。

だから気づかなかったんだ。

会議室に近づいてくる足音に…。





「…はい、スト-ップ。そこまで」





冷ややかな声と同時に。

“コンコン”とノックされる会議室のドア。

そこに立っていたのは。





「さ、さ、さ…っ!!」

「仕事中になにやってんですか…」





腕を組み、呆れた顔をした相良だった。