嘘と微熱と甘い罠


相良と私が2人で飲みに行くのなんて、今始まったことじゃない。

ゆっくり飲んでいたり、仕事の話をしていたりすれば。

夜中といわれる時間まで一緒にいるなんてざらにある。

それは2人だけのときに限ったことではない。

それこそ笠原さんとつきあう前から続いていること。





「や、いつもと同じですよ…?」

「俺より相良優先か?」

「え…っ!?」





眉間にシワを寄せたままの笠原さんは私に近づいてくる。

私は後ずさる。





「か…笠原さん…?」





入り口にいたはずの笠原さんは。

ズンズンと会議室の中に入ってくる。

その表情はただただ不機嫌で。

私は笠原さんから距離をとろうと後ずさるだけだった。





「……………」

「………ッ…!!」





無言のまま追い詰められ。

背中に冷たい壁が当たったとき。

笠原さんは私の顔の横に両手をついた。