嘘と微熱と甘い罠


「か…笠原さん、どうしたんですか…?怖いですよ…」

「天沢、答えて。昨夜何してた?」





凍りつきそうな冷たい空気をどうにかしようと。

軽口めいて言葉を発してみたけれど。

笠原さんの口調は変わらず厳しい。

これで嘘吐いたり、ごまかしたりなんてしたら。

どうなるか想像がつかない。

でも。

嘘吐く必要も、ごまかさなくてもいい。

…事細かく話す必要はないんだから。

“いろいろやらかした恥ずかしいこと”は記憶の端に追いやって。

私は口を開く。





「…昨夜は、相良と飲んでました」

「相良と2人で?」

「はい」

「夜中まで?」

「え…?」





私の言葉に。

笠原さんの表情はさらに厳しくなった。