「…寝坊すんなよ?」
「相良こそ」
“めんどくさいからウチから仕事行けば?”
そう言った相良に。
“着替えたいし帰る”
そう答えた私。
時間は深夜と呼ばれる時間だけど。
大通りに出ればタクシーぐらい捕まるから。
でも相良は、それを許してくれなくて。
結局相良がウチまで送ってくれた。
「じゃ、また後でな」
「送ってくれてありがとう。気をつけてね」
「おう」
テールランプを赤く光らせ、車を走らせる相良を見送ると。
私も自分の部屋へと戻った。
「…あれ?」
鍵を出そうとバッグを開いたとき。
ケータイのランプがチカチカと小さく光り。
メールの受信を知らせていた。
【今から会えるか?いつもの場所で】
…それは笠原さんからのメール。
いつもとは少し違うものだった。