嘘と微熱と甘い罠


「なっ、なにすんのよ!!」





はがされたタオルケットを慌てて相良の手から奪い取る。

いくら相良が見た(かもしれない)とはいえ。

それは私の思考回路が機能していないときの話。

意識がはっきりしている今、そんな姿を晒すなんて。

恥ずかしいなんてもんじゃない。

その上、遮るもののなくなった目の前に現れたのは。

程よく引き締まった胸。

首からかけているタオルはなんだか妙に生々しくて。

どこに視線をやっていいのかわからない。





「…天沢、お前どこまで覚えてる…?」

「え…」





タオルケットの端をギュッと握っていると。

相良が私の顔を覗き込んできた。





どこまでって…。

相良の言葉に記憶の細い糸を手繰っていく。

…その記憶は。

いつ、どうやってお店を出たのかすら怪しいもので。

相良になんて答えればいいのかわからなくなった。