嘘と微熱と甘い罠


「…で?なんで黙って帰った?」





やっぱり、それですか…。

最初に口を開いたのは相良だった。





昼休み。

まさに無言の圧力。

隣で仕事をしていた相良に。

目だけでクイッと合図をされて席を立った。





「お、お昼どこで食べる…?」

「飯食いながらできる話なら食いながらでもいいけど」

「…後で、いいです…」





後をついて行った先は滅多に人の来ない非常階段。

相良はクルリと私の方を向くと。

開口一番、冒頭のセリフを吐いた。





カンペキに、怒っていらっしゃる…。

なんか、黒い羽が出てきそうなオーラが漂ってるし…。

心拍数の上がりとは裏腹に。

人気のないこの場所と。

見ているだけでわかるぐらいの相良のお怒り具合で。

背筋は凍るように寒かった。