「芽衣。」

顔を上げると教室から咲也君が顔を出していた。


「土曜、映画館なら行ってやっても良いけど?」


咲也君も少しずつ好きになってくれてる?

多分、聞いても答えてくれないんだろうな。



「行くの?行かないの?」

少しイラつく王子様。

結局、いつもワガママを叶えてくれる。

文句さえ言わなかったら完璧なのに。

でも、私もそういう所が好きだったり。


「行く!絶対!」


好きになんなきゃよかった、なんて本当は思ってないよ。

そう心の中で呟いて、SS王子の元へ—