「ん...」 コーヒーを落としそうになった手を咲也君が支える。 冷たい手とは裏腹に唇から伝わる体温は温かくて... 目の前はきっと咲也君しか見えない。 どんな顔をしたら良いのかは分からなかったから、私は精一杯目を閉じた。 「ふふっ、イタズラしちゃった。」 目を開けると嬉しそうな顔でSS王子が微笑んでいた。 ホント、適わない。 「ちゃんと前、締めた方が良いよ。」 ボタンを一つだけ留めてくれると、コーヒーをやっと受け取って、先に歩き出す。