「だけど、もう着てこなくていい。」
「どうして?
次はもっと頑張るよ?」
「今日のでいいから、もう着てこないで」
「矛盾してない?」
良かったんなら、着てきても良いじゃん。
迷惑かけてないよね。
「してないよ。
これは、俺のワガママ。」
聞いてくれるよね?と念押ししながら表情をゆるめる。
「ホント、自分勝手。」
「知ってる。」
何も言わず自然と手を繋いで、指を絡めてくる。
「お。あれ行こうか。」
空いた方の手で咲也君が指差したのは、期間限定のおばけ屋敷だった。
「苦手だから嫌。」
答えてから失敗に気づいた。
「そうなんだ?」
嬉しそうなSS王子。
こうなったら止められない。
「行こうか。」
「やだよ。」
「自分勝手でごめんね。」
否応なしにおばけ屋敷に行かされた。

