「...だ。」

ボソッと咲也君が何か言った。


「え?」


聞き取れなくて聞き返すと、チッと舌打ちをされた。


ったく、と文句を言いながらも、更にピタリと私に密着してくる。




「...好きだ。」


咲也君が耳元で悪魔のように囁く。


その言葉にドクンと心臓の鼓動を強く感じた。



ゆっくりと振り返ると、意地悪げな笑みをしていた。