「じゃあな、芽依。
お菓子くれる変なおじさんに付いて行くなよ。」

咲也宅を出るとき、いつものように馬鹿にされた。


「付いて行きません!」


「あ、そうそう。
来月も空けとけよ?」


「え?
ホワイトデーだよね??」

びっくりしたので確かめた。


「期待すんな。
借りを作るのは嫌なだけだ。」


ああだこうだとぼやきながらも、バレンタインのお返しはくれるみたい。


「また咲也君の家に来たら良いの?」

我ながら咲也君のせいで、パシリ気質が染み付いてる。


「3年の卒業式だから、校舎は開いてるだろ?
教室で待ってろ。」

...私が待たさせる前提。


「了解。
んじゃあ、お邪魔しました。」