「他に何か?」

手を動かしながらちらっと咲也君を見た。


「は?待ってやってんだろ?」


「へ?
いいよいいよ!
悪いし先に帰ってて。」


「いいから、さっさと終わらせろ。」


むむむ。

他に何か用事でもあるのかな?

これはこれで課題が進まない...


もう一度咲也君を盗み見ようとして、バレてしまった。


「なんだ?」


「いや...ちょっと分からない問題が...」


「は?この因数分解すら分かんねぇのか?」

誤魔化す為の嘘だったのに、咲也君が教えてくれる流れになった。