「つ、付き合ってる。」

いつもと雰囲気の違うマリアちゃんに、圧倒されながらも答えた。


「そうなんだ...」

地面を見つめながら、マリアちゃんが黙ってしまった。


まずかったかな。

言わない方が良かったかも。


謝るタイミングも見失っちゃった。


「じゃあ、またね。」


どうしたら良いのか分からなくて、その場を立ち去ろうとすると、

「芽依ちゃんは良いの?
咲也の女癖、治ってなくても。」


その言葉によって足が動かなくなってしまう。


「咲也、浮気してるよ。
偽彼女だから芽依ちゃんは気にしないのかな?」


心臓がバクバク鳴っている。

振り返るだけなのに恐い。

これ以上、その話は聞きたくないよ。


「どういうこと?」


振り返ると、マリアちゃんは勝ち誇ったような顔をしていたー