「買ってやるよ。」


「え?」


目をパチパチさせている私を放置して、一人で会計を済ませてしまう。


「行くぞ、芽依。」


店を出て行く咲也君を追いかけて、私も店を出た。



「ほら。」


イヤリングの入ったオシャレな紙袋を私に渡す。


「本当に良いの?」


「あぁ。」


雨でも降るんじゃないかな。


「でも...どうして?」


紙袋を受け取って咲也君を見つめると、顔を逸らされた。