「可愛いっ!」

ピアスの隣に置いてあった
イヤリングに手を伸ばす。


紅いチェリーのイヤリングと、小鳥のイヤリングの二つを取って見比べた。



「芽依、開けてたっけ?」


そう言って突然、咲也君が私の耳に触れた。


「ちょっ...開けてないよ!
ノンホールピアス見てたの!」


耳を触られて驚いている私を見て、咲也君の表情が生き生きしていく。


「何?耳弱いの?
芽依ちゃん真っ赤。
可愛いねぇ。」


クスクス笑いながら、
私からイヤリングを奪う。


「芽依にはコッチじゃね?
赤の方が似合うだろ?」


チェリーの方を私の耳にあてて頷く咲也君。


「んじゃ、それにする。」


咲也君からイヤリングを受け取ろうとすると、手を引っ込められた。