とりあえず、ありがとう、と本文を打ち、最後に“西條 小陽”と自分の名前を打った。 スマホをソファーの上に置き、冷蔵庫を漁った。 今日のお弁当でちょうど材料を切らしていたことを思い出して、少しうなだれた。 だめだなぁ、ほんと。 降りしきる雨を、窓越しに見ていた。 「早く雨、止まないかな…」 小さい頃からそうだ。 雨の日になると、何も考えられなくなる。 それはきっと、理由がある。 わかっているけど、だめなんだ…