奥の部屋に入ると布団が仲良く二組…並んでいた。



「…俺たちは夫婦だと思われてるようだな」



「…貴方は前世の海里なんでしょ?征史さん」



「そうだが…俺は…」



「私を抱いて下さい…征史さん」



戸惑う俺の背中に抱き付く千愛さん。




その声は切羽詰っていた。




千愛さんは海里に対しての恋情に追い詰められていた。



海里ではない俺が…千愛さんを抱いていいのか?



自問するが、その答えを導けないまま…俺は千愛さんを抱き締めた。