定子さんと私の仲は険悪だったけど、最近は揉め事もなく穏やかな関係が続いていた。



定子さんが私を助産院へと連れて行ってくれた。



「…おめでたですね。御堂少佐殿の奥様…」



「そうですか…」



漠然と告げられた妊娠。



私のお腹の中に征史さんの子供を宿しているーーー・・・



まだ、その実感を感じる事が出来ず、そのまま訊き流してしまった。