東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》



「愛する女を幸せに出来ない貴様が軍人として、立派に国を護れると思ってるのか?御堂」



「成宮貴様…!?」



「俺は思う…貴様には国は護れない…戦地に赴けば…生きて還れる保証はどこにもないが。生きて還る…執念持てば…還れるかもしれない…生に対する強い思いが時には運命を変える」



「執念…」



「…椿さんと運命を切り開いて行くんだ!御堂」



「・・・」



成宮の言葉に深い感銘を受けた。



俺は成宮に比べたら弱い人間だった。



《運命に逆らって生きる》



そんな生き方はして来なかったーーー・・・


軍人にはなりたくないと考えていたのに…父上に流されて…