彼女(♂)と彼氏(♀)



こーたはもはや生徒指導部の常連。そのせいで彼女の私まで最近は目をつけられている。
いや、私カンケ―なくね?汗




わりぃな、と言いながらもニヤけているこーた。




うん。なんて言うか腹立つわマジで☆




「もー分かったよ。早くしてね?」




「おう!んじゃ、また後でな!」




くっそー惚れた弱みだな。こーたには何言っても敵わない。




手をブンブン振って立ち去るアホ丸出しなこーたをぽけぇ~と見ていた。




ツンツン




「あっのぉ~」




「うっわ!?あ、彩菜なに!?」




「いや今、絶対あたしの存在忘れてたよね?もーイチャイチャしやがってー!」




バシバシと背中を叩かれる。い、痛いっす!!




「そんなんじゃないからっ…」




「はいはい、ごちそーさま」




「だから違うってば!!///」




もう、今度は私が照れてるじゃないか、らしくない。



でもガールズトーク、やっぱいいな。




彩菜だからなんでもぶっちゃけて話せる。やっぱ親友って、いいな。




そんなことを思いながら笑っていた。
彩菜も笑っていた。





でも気付かなかった。




ううん、気付かないフリをしていただけかもしれない。






このとき、彩菜が心から笑っていないことに。