嘘と煙草と君とチョコレート

林さんに見とれていたら、
いつの間にかライブは終わっていた。

私と優希は"お疲れ様"を言いに
メンバーのもとへ走った。


・・・が、いつもの通り女性客に囲まれている。

でもよく見てみると、
常連のお客さんは一人もいない。

みんな横を通り過ぎる瞬間に、
「お疲れ様〜。」と言う程度だった。

・・・これが年上の余裕?


どうしようか迷っていると、
亜紀さんと目が合った。

亜紀さんは顎をクイッと突き出して、
私に合図した。

何を意味するのかはすぐに分かった。

私はできる限りの変顔をして
亜紀さんの笑いをとってから、
優希の手を掴んで歩き出した。