嘘と煙草と君とチョコレート

渡すチャンスはいくらでもあったのに、
ウジウジしていつまでも動けない自分が情けなかった。


ライブハウスから出て辺りを見渡すと、
林さんは女性客に囲まれていて、
楽しそうに話をしていた。

その横顔を見つめているとふいに涙が溢れ出して、
私はゲーセンのトイレへ駆け込んだ。

バタンっとドアを閉めて、
鏡の中の自分を睨み付けた。


「このままじゃいかんって・・・」