嘘と煙草と君とチョコレート

3本目に火をつけたところで、
女の子がいない事に気づいた。

辺りを見渡すと、
いつの間にかお母さんのもとへ戻って
"帰ろう"と催促している。

本当に子供は気持ちの切り替えが早い。


「今日はありがとうございました。」

近付いてきた若いお父さんが軽くお辞儀をした。

それに続くように二人もやってきて、頭を下げた。

「いえいえ。」

私は林さんと声を揃えて言った。

すると、いきなり林さんの顔が変わった。

何かを思いついたらしく、
花火セットから残った花火の束をちぎって、
女の子に差し出した。

「またお父さん達とやりな。」

「うん!!」

両親はまたお辞儀をして、3人で手を繋ぎ公園をあとにした。