嘘と煙草と君とチョコレート

「何で〜!!
でもさ〜、言い方次第じゃない?
"似合ってますね"とかなら、可笑しくないら〜?」

確かに、それなら不自然じゃない。

「・・・採用!!
さすが来ちゃん!!やるねぇ〜。」

肩をバンっと叩いた私にグーサインを見せて、
来はまたケータイをいじりだした。


"黒髪が素敵です!!似合ってますね♪"



たったそれだけの言葉を、
いつもの何十倍も丁寧に書いた。

例えるなら、買ったばかりの大学ノートの
記念すべき一ページ目。

"次のページに筆圧移ってないかな?"
なんて余計な心配をしながら一文字ずつ丁寧に・・・

まさにそんな感じ。