「でもさ、もう少しでチャンスだよね」
「そうそう、文化祭ね!」
2人がにやっとしてこっちを見た。なんかいやな予感がする…
「ラブファイター!!」
2人が声をそろえて言った。予感的中。
ラブファイターとは、全校生徒の前で好きな人の名前を叫び、告白をするというもの。OKならお姫様抱っこをしてもらえて、NOなら床が開いて水の中に落ちるという、恥ずかしい企画だ。
「絶対した方がいいよ!!もしNOだったら励ますし!」
それって振られるの前提だよね。
「なに〜?楽しそうになんの話ししてんの?」
こいつは橋本雅哉。結構なイケメンで女子の人気がすごい。
「あのね〜麻由がラブファイターで特進クラスの翔くんに告るんだって〜」
ちょっと!言うなよ...
「翔ってあの?あー、あいつ裏表すごいらしいぞ」
「おーい!雅哉行くぞー」
「じゃーな麻由」
そう言って私の昼ごはんのトマトを持って行った...
また2人がニヤニヤしてるんだけど、今度は何?
「雅哉、麻由のこと好きだよねー」
「それ私も思ったー!」
「は?」
それは絶対にないだろ。さっきだって嫌味言っただけだよね?あれが仮に愛情表現だとしたらわかりづらすぎだよ!!ありえないありえない。
「で、ラブファイター、出るよね?」
うーん。正直もうそろそろ告白しようかなーって思ってたし...でも、全校生徒の前は怖い...でもいつまでも怖がってたら前に進めないよね!!
「よし!私やる!!」
2人が顔を合わせて微笑んだ。
「だよねー。大丈夫だよ、もうエントリーしといたから!」
「麻由ならでると思って先にエントリーしといたんだよ。感謝してね♡」
....えー!!!!じゃあ最初からでなきゃいけなかったってこと!?一ヶ月後の文化祭、どうなるんだろう...