「え?なんか言った?」



佐伯が再びこちらを振り向いた。





「な、なにも...」





そう言うと、佐伯は不思議そうな顔をした。
そして





「梨咲乃、朝メシ出来たぞ」




出来立ての、言った通り庶民的な、一般的な、ありがちな朝食メニューが、次々と机上に並べられた。



先程まではなにもなかった寂しい机上が、色とりどりの料理のおかげで華やかになった。