「────ん...」 ゆっくりと目を開けたのは、もう朝になった頃だった。 カチャカチャと、静かに聞こえる食器の音。 どうやら、あたしは昨日、あのまま寝てしまったらしい。 背中には温かいカーディガンがそっとかけられていた。 佐伯がしてくれたのだろう。 ゆっくりと身体を起こすと、リビングでせっせと働いている佐伯が見えた。