「────取り合えず、風呂でも入る?風邪引いたらダメだし」
あの公園から歩き出して、約10分ちょっと。
案外、佐伯の家は近かった。
佐伯の家の中はいたってシンプルで、綺麗だった。
「ちょっと待ってて」と言われて、リビングで待っていると、佐伯がタオルや服を持ってきた。
「あ...うん...。でも、その服...」
佐伯が持ってきた中には、いかにも佐伯の服と思われる灰色のパーカーがあった。
「あ、これ俺の。別に、いやらしいことは考えてないから!全っ然、一切全く考えてないのでっ!」
少し早口の佐伯。
いや、あたしもそういうつもりで聞いたんじゃなく...