見上げれば、5月の夜空。 感じたことのない、爽やかな気持ちになった。 こんな気持ちななれるなんて、夢みたいだ。 「─────梨咲乃?」 「....」 どこからか聞こえてきたその声に いっきに現実に引き戻されたかのような気持ちになった。 ......ああ、やっぱり あたしは、“綺麗な人間”になっちゃいけないのかな。 過去は、どこまでもあたしを追ってきて